愛してるを心から



やっとたどり着いた保健室。


翔は、そのドアを開けた。


「先生、すっげぇー熱!!」


大きな声が、保健室中を響く。


保険医の先生は、ビクッと体を揺らし、私たちをみた。


「大声ださないでよ!・・・病人は、ベッドに寝かせて!」


てきぱきと指示をする先生。


翔はさっきまでとは違い、オドオドと私をベッドに寝かす。


「渡守くんは、少しカーテンから出てくれる?」


状況がはっきりしない私は、ただただその会話だけを聞いていた。


体温を測ると、予想以上に熱があった。


「今日は帰りなさい、親御さん呼ぶから」


優しく問いかけるような声。

私は、うなづいた。






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