愛してるを心から
――side星谷
2年の学年リレーは3組の一位で幕を閉じた。
なんとあの相田が一位を抜いてトップ。
そして、そのままの状態キープで2年3組の一位。
相田、運動部じゃないのにあんだけ走れるっていうのは凄いな。
何より、勝てたっていう事はいい事だと思う。
俺は裕子を探してクラステントを歩いていると、前のほうの端に彼女が蹲っていた。
俺は彼女に近づくと、すっと隣に座った。
彼女は俺の事に気づいていない。
だけどそれが妙に耐えられなくなって、一つ言葉を出す。
「どーした?」
ただ前を向いて、俺は裕子にそう訊ねる。
一瞬彼女は体を揺らし、ゆっくりと俺のほうをみた。