愛してるを心から


――side星谷



2年の学年リレーは3組の一位で幕を閉じた。


なんとあの相田が一位を抜いてトップ。



そして、そのままの状態キープで2年3組の一位。



相田、運動部じゃないのにあんだけ走れるっていうのは凄いな。




何より、勝てたっていう事はいい事だと思う。




俺は裕子を探してクラステントを歩いていると、前のほうの端に彼女が蹲っていた。




俺は彼女に近づくと、すっと隣に座った。



彼女は俺の事に気づいていない。




だけどそれが妙に耐えられなくなって、一つ言葉を出す。




「どーした?」



ただ前を向いて、俺は裕子にそう訊ねる。




一瞬彼女は体を揺らし、ゆっくりと俺のほうをみた。













< 281 / 333 >

この作品をシェア

pagetop