愛してるを心から



好きじゃない・・よな?



「・・・まだ翔が好きか?」



続いた言葉にほっとする。



俺は裕子に興味があった。



ただ、興味があっただけ。



異性としての感情じゃない、だけど知りたくなった。




それはいつも彼女が窓の外を見上げていたから。



柔らかい表情で、ずっと雲が流れる様をみている彼女は、俺の中では不思議だった。




女は大体うるさい奴ばかり多いと思っていた。



実際自分の周りにいた女たちは全てそうだったしそれが当たり前だと思っていた。




席が隣になれば、いつも相手から名前も聞いてくるしベタベタしてくる。






なのに、そんなことを何一つしてこない彼女。




誰が隣なのかも分かってない様なそんな彼女がそのときから妙に気になり始めた。








                                                                                                                                                                                                                                                
< 283 / 333 >

この作品をシェア

pagetop