愛してるを心から



声をかけたのも俺から。



予想通り名前も知らないようだった。



流石にショックが大きかったけど、彼女と話していると自分でも分かるほどもっと知りたい。



彼女のことを知りたい。



そう思うようになっていった。




たまに見せるふとした笑顔が可愛い。






そして俺に見せた彼女の涙。




白い頬に筋をつくるように流れる涙は、なん粒もなん粒も流れ落ちていた。





弱弱しく発される声は俺の心を強く刺激する。




守ってやりたい。




そんな衝動に駆られてしまう。



つい彼女を抱きしめてしまいそうになる。




そっと優しい声で、頬を撫でたくなる。






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