愛してるを心から
それに妙村先輩って、すっごいもてるし・・・。
私、何されるか・・。
私が固まっている間に次々他の人が帰って行く。
はっと我にかえった私は、意を決して生徒テントに向かって走った。
先輩、一緒に走って下さい!
言えるかな・・。
どきまぎしながら辺りを見回すと、グランドに顔を向けて立っている先輩を見つけた。
「あ・・あの・・妙村先輩・・!」
予想以上に小さかった声。
がやがやと賑わっているこの場所でこんな声なんて聞こえるわけがない。
せっかく言った言葉が無残にも消されていく。
と、思っていた。
「・・裕子ちゃん?」