愛してるを心から
真上から降ろされた妙村先輩の声。
顔をあげると、優しそうな表情を浮かべた先輩がいた。
「何・・・ってもしかして借り物?」
私の手を見て先輩は笑った。
握りすぎてぐしゃぐしゃになった紙。
「あ、はい!一緒に走ってもらえませんか?」
緊張で手が震える。
顔引きつってないかなぁ~・・・
「よろこんで」
先輩はそう笑って、私の手を掴んだ。
突然の事で、驚いた私が小さく手を手前に引くと不思議そうな顔をした先輩が私をみた。
「借り物って手繋ぐんじゃなかった?」
「あ・・・いえ、そうですよね・・・すいません」