愛してるを心から





私は先輩と目を合わせずお辞儀をした。



失礼だけど、今顔を合わすと理不尽に先輩を睨んでしまいそうだから。



別に先輩は悪くない。



何にも・・・。



「・・・うん、じゃー頑張ろうね」





先輩の透き通るような声。



そして、私から遠ざかる足音。



「・・・若地?」



ふと聞こえた声に私は体を揺らした。




「あ、透馬・・」




「・・お疲れさん」




「・・お疲れ」










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