愛してるを心から


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目をつむってから、何分経っただろう。


目を開けると、翔がいた。


「もしかして俺、起こしちゃった?」


ごめん、と笑う彼。


さっきよりも、ちょっとだけましになった体。

思考力も少しは戻ってきた。


「ううん、そんな事ないよ」


少し体を持ち上げ、私は笑った。


「だめ、まだ起き上がらない事。大人しく寝てなさい」


先生みたいにいう翔に私は笑いながら、体をたおした。


翔も、優しく微笑んで私をみている。


淡い桜色に見えるこの空間。


この時間が、ずっと続いて欲しいと思った。

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