愛してるを心から
私が口に出そうとしたのと同時に、聞こえた声。
それは、教室の入口から聞こえた。
「玲衣あたし・・ちゃんと言わなくて・・・。玲衣の気持ち・・分かれなくて辛い思いさせて・・ごめん・・ごめんね・・」
実だ。
目からは大きな涙を流し、玲衣をしっかりと捉えていた。
「・・何よ、今更・・。謝られたって、同情されてるようにしか聞こえない。・・謝らないでよ・・・」
玲衣は眉をひそめ、実から視線を遠ざけた。
「同情じゃなくて・・玲衣に自分の気持ち言えなくて・・それで、玲衣が苦しんでたの友達なのに・・幼馴染なのに・・・分かれなくて・・」
「・・じゃー分かってたら、なんかしたの?・・」
「ちゃんと、向い合ってあたしが隆太の事好きだって言う・・・」
玲衣は、は?と小さく言った。