愛してるを心から


私は止まっていた手を動かした。


緊張し過ぎて、手が思うように動かない。


「なんでこんなに、震えんの~」


私は、自分の手をにらみつけながら、独り言をいう。

やっと、打ち終えあとは、送信だけ。


・・・だけど、これが一番厄介だ。


手は送信ボタンまで運ぶも、なかなか指が押してくれない。


よし、よしと言い聞かせては、ボタンを押そうとする。


でも、いつも途中でピタリと止まって押し切れない。


私は、数十分画面とにらめっこ。


意を決してボタンを押す。


呼吸が乱れ、頭がくらくらする。


「ふぁー・・・」

ため息か、ため息じゃないのか分からない声が漏れる。





< 34 / 333 >

この作品をシェア

pagetop