愛してるを心から
「でもさ、巡り会えた訳だしいいんじゃない?」
わざと翔をみて、茉莉が意地悪く笑った。
「・・・・うん、だから今は、この席が好きなんだ」
素直すぎる自分の言葉に自分自身恥ずかしくなる。
「可愛いね、裕子は・・・あたしなんか」
実はそこまで言いかけて、言葉をとめた。
じっと実を見ていると、少しだけ潤んだ瞳が見えた。
「実・・・?」
茉莉が実の名前を呼ぶと、実が笑った。
「なんでもないよ、ごめんね」
にこにこと笑う実。
実の目を捉え、私は口を開く。