愛してるを心から
「辛かったら、いつでも言っていいんだからね。でしょ?実」
微かに微笑んで私はそういった。
実が顔を伏せる。
ぽたぽたと、数滴涙が床へと落ちる。
茉莉と私はそれを隠すように、実の周りを囲った。
「あたしにも、好きな人がいるの・・・。」
やっと耳に入るぐらいの声で話し出す実。
私は、その声を拾う。
「口が少し悪いんだけど、でも本当はすっごく優しくて・・・。一つの目標に向かって今努力してて、人一倍かっこいいの」
息もせず実はひたすらに喋り続ける。
「でも、でもね。私の好きな人、・・・玲衣の好きな人でもあるんだ」
実は息を荒れさせる。
そして、さっきよりも多くの涙を流した。