愛してるを心から
一人モードに入っていた私。
そんな私に思わぬ侵入者。
「若池さーん、暗いですよー」
ビクッとゆれる体。
その体を起こし、隣を見る。
と、知らない男子が一人こっちを見てニヤニヤとしている。
「暗いって・・。あの、誰なんですか」
私の一言に、彼は固まった。
そして、机にひじをついて私を悲しそうな目で見つめた。
「俺、存在感ゼロ?同じクラスなのに、しかも隣なのに?」
結構濃いほうだと思ったのに・・・、彼は最後にそう言ってガクリと俯いた。
「え、あ!ごめんね!確か、干田くん?」
「星谷です、全然違うじゃん!」
置いておいたノートに、私が書く。
それをみて苦笑し、彼が私からペンをとった。
すらすらと書く彼の字は、とても整っていて綺麗だった。
「こう書くの、了解?てか、簡単なんだけどね」