愛してるを心から
子供みたいに笑う星谷くん。
その笑顔は、小さい子のようにまっすぐだった。
「あ、ほんと。意外と分かりやすい」
私の言葉に、さらに肩を落とす星谷くん。
めんどくさい人だな・・・。
と思いつつも、言葉に丸みをつける。
「私、すぐ忘れちゃうから覚えられる名前でよかったよ。忘れたくないからね」
こんなものでいいのかとおもいつつ、彼のほうをみる。
少し嬉しそうな顔をした星谷くんは言葉を濁した。
「ずっとさ、話かけたいって思ってたんだけど若池さんいっつも反対の方向向いててさ。
なかなか話せなかったんだよね」
下を向いて、頭をかく星谷くん。
そんな彼に私は笑った。