愛してるを心から
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HRが終わった。


いよいよ、恐怖の時間がやってくる。


クラスの全員がいなくなったとき、教室のドアが開いた。


冷たい視線を私に浴びせる。


そんな河津先生に、私は笑った。


「あの・・・なんでしょ―――――」


言い終わる前に、教卓が大きな音をたてた。


教卓の上に置かれた先生のこぶしが、ぴくぴくと震えている。


麻痺したように、体が動かなくなった。


「白々しい、だから私は貴方が嫌いなのよ」


その言動に私は脳を停止させてしまった。


“だから私は貴方が嫌い”?


何を言っているの?


ばかばかしく思えた。


こんな人が教師をやっていることも、こんな人に逆らえない自分も。



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