愛してるを心から
気がつくと朝になっていた。
夏休みも半ば。
明日は、夏祭りがある。
去年、お兄ちゃんと一緒に夏祭りに行った。
赤提灯が、屋台を照らしていて。
りんごあめも、カキ氷も、金魚すくいもあった。
どれもこれも、お兄ちゃんは何も言わず好きなだけやらせてくれた。
勝負だと金魚すくいで競ったことも印象に残ってる。
ばたばたと、階段を降りてリビングへ向かう。
「ねぇーねぇー!良兄ー!今年も連れてってくれるんだよね!」
「違う!テンポが外れてる!何で、こんなとこをはずすの!」
私の嬉しそうな声に重なった声は、とても怒りがこもっていた。
私はその声に反応し、身を隠した。