最後の天使
あの真っ白な何もない世界で
美紀が言ってたこと、
『バイバイ』
それは夢ではなく
メッセージだったんだ。
俺は
何も気づくことすら
できなかった。
あんなに苦しそうにしていたのに、
せめて
少しでもそばにいてあげれていたら…
「隆二君、美紀がいなくなってもまた実家に遊びに来てくれる?…」
お母さんは
ハンカチを握りしめながら
下唇を少しかんだ。
「当たり前じゃないですか…」
俺は無理して
笑顔をつくった。
こんな俺が
美紀に逢う資格なんて
あるのか?
美紀、
俺も
お母さんも
こんなにも
苦しんでいるのに…
帰ってきてくれよ。