最後の天使



「大丈夫」




美紀の手は
するりと
離れ

吹き抜けの
受付の方から、

少しくらいドアの方へ歩いて行った。







俺は
美紀がそのドアに入るのを
最後まで見届け、

まだ美紀のぬくもりが残る手に
握りこぶしを作った。









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