最後の天使


「誰かといるの?」


『いや、友達が心配してくれて来てくれたみたい、じゃあまた!』


「おだいじにな」


友達がいてくれることに安心して
電話を切り、
また『残業係』に変身しようとしたとき…



「あ、笹乃丸さん 社内はマナーモードですよ」



一人だけだと思っていた
社内に聞こえる
かわいらしい声と

フレッシュな顔に、
ピンク色のカッターシャツに
ふわふわの短めスカートをきた


山本 唯(23)


が見えた。



「ごめんごめん、部長には内緒ね」



「はあーい」



そう言って、
俺の横の椅子に座った。


山本は
俺の後輩で
最近入りたての新人だ。


俺は慣れるまでの『教育係』


昼は『教育係』
夜は『残業係』


給料
人の倍をもらっても
おかしくないと想う。




「あれ、山本帰らないの?」



「いや、笹乃丸さんがね『残業係』って今日聞いたんで」



後輩の耳までにも通る
俺の係。



「後輩のあたしもお手伝いしましょーって。何か飲みます?」



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