最後の天使
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FROM 美紀
SUB Re:Re:Re:…
逢えますよ
隆二君の家で
まってるね
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俺と美紀の家の間は
1駅ほど。
だから
俺の合鍵を持っている美紀は
逢いに来てくれる。
そのメールで
意欲を高め、
俺はさっきの倍の
スピードでキーボードを打った。
「おわった…」
俺は立ち上がり
ガッツポーズをした。
11時。
1人で『残業係』を始めてから
1時間たった
俺は乱雑に広げられている
自分の上の
書類をかたずけた。
その白と黒の文字ばかりが
並べられた、
書類の中から埋もれてできたのは
カラーの綺麗な文字で
こう書かれてあるものだった。
『大切なあの人に…』
その下には
光輝くリング。
「いーち、じゅー、ひゃーく、せーん、まーん、じゅうまーん…」
俺はそこまで読むと
ゼロを数えることをあきらめて、
表紙は高くていい奴を持ってくるはずだ。
と自分をなだめた。