最後の天使

あんなに嫌いだった
別れをあらわしていた夕日。

でも今は
俺たちを包み込むような

茜色が愛しい。


俺たちは
ずっと
ベットの上で抱き合っていた。


それから
いろんな話をした。


出会いの話から
別れの日まで。


山本と、過ごした日々には
さすがの美紀も少し怒ったが

笑ってでこピンをして
『次はもっと痛いよ』と言った。




なあ、
美紀


俺忘れてたよ。



当たり前が見えにくくなるこの世界で、



こんな小さなことが

幸せだってこと。
















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