最後の天使
第四章
僕は
幸せという
茜色の夕日の中に
うごめく闇を。
そう、
君の弱さを忘れてしまった。
「…美紀……美紀…美紀っ!!!」
俺の目の前には
昨日と変わらず
呼吸器をつけ、さらさらなブラウンな髪を束ね、
少しこけた顔に
優しく閉じた瞳。
何も変わらないはずなのに
君の胸は
小さくも上下はしなかった。
俺は起きるはずないのに
何度も何度も
ゆり起そうとした。
美紀…
『嘘だよ』
そう言って起きてくれ。
お願いだよ…
まだ、
いっぱいいっぱい
やりたいこと
あるんだよ。