【花集】君と見た、大きな光







彼女はおずおずと隣に座った。

人ひとり分は入りそうなスペースを空けて。

そんな俺警戒されてんのかな。

苦笑。







「なんでさ、この場所知ってるの?」

俺が一番気になってたこと。

此処は俺だけが知ってるスポットだと思ったのにさ。

「…親が知ってた、から」

「ふーん。じゃあ親御さんも此処に花火見に来たことあるんだ」

なんだ、俺だけの場所じゃなかったってことか。トホホ。

「両親が此処で花火大会の時出会ったの。だから興味があって…」

なるほど、思い出の地ってわけね。

「わぉ感動的。つかさ、花火見えるの?」





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