わがまま猫王子。

 「……それなら、俺の隣にいてくれる?」


 「え……?」


 彼女は一旦収まっていた顔の熱を再びぶり返した。


 あ……今の、告白みたいだな。

 いや、実際告白だけど。


 「……日曜日」

 でもこれを告白の場面にしたくはないので、言葉を付け加える。


 ミナは決まり悪そうに目を泳がせる。

 「……もちろん」


 よし、取り引き成立!


 長く感じた休み時間も、鐘と共に終わりを告げた。


 あ…まだ、教室に帰る途中なんだよね……。


 ま、いっか。

 ちょっとくらい遅刻しても。



 「あ、私、先行くね!」


 ミナは優等生だから、走って行ってしまった。


 ちょっと悪いことしちゃったな。ミナは時間に気をつけているし、遅刻なんてありえないから。

 後でごめん、って謝っとこ。



 あー……でも、楽しみだなあ。ミナとのデート。

 好きな女の子とだから、緊張するんだろうなあ。


 俺はのろのろと教室に向かった。

 部屋を開けた瞬間、先生から怒鳴られてしまったのは言うまでもない。
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