籠の鳥




「まーくん!」

マオの声に気付いて辺りを見回した。

が、姿が見えない。

するとドサッと目の前に何かが落ちてきた。

僕はビクッと肩を上げる。

「ま、マオ!?上から!?」

「まーくん!大丈夫だった?!」

しっかり着地をしたらしく、すぐに立ち上がり、僕の言葉をスルーして肩を掴んできた。

その慌てようにまた身を引く。

「だ、大丈夫ですよ?それより、どれくらい高くから……?」

「まーくんの為なら1000メートルでも2000メートルでもすぐダイブしてくるよ!」

「よ…よくぞご無事で……」

僕に大きな怪我がなかったのを見て安心したマオは頬の傷を手当てしてくれた。

じっとしながら僕はさっきまでのことを話す。

「そうか…まーくんのママがね。それじゃ今までのものは全てまーくんのママの仕業ってわけだ」

「はい…でも僕は分からないんです。何故母さんが僕の前から姿を消したのか、今頃になって必死で僕を探していたのか。村で父さんがいなくなってからもずっと暮らしていればよかったんじゃないかって、思って…」

悩むような表情をしてマオは立ち上がった。
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