籠の鳥
「何か訳があったのだろう。さ、できた。これからどうするか考えないと。さっき虎猫といたまでは、出口に近かったのかまだ狂気が薄かったのか森から出ていけた。だがここに入ってしまった以上、虎猫以外この森に閉じ込められている状態か」

すると僕は「あぁ!!」と声を上げた。

マオは驚かずに訊いてくる。

「大変なんですよ!やっぱりやつはさんが風邪ひいたんです!」

「はは。それは大変。死ななきゃいいね」

「人事!?いや行きましょうよ!こっちです!」

「はいはい」

急いで走って行く僕の後をのんびりとマオはついてきた。


早く戻らないと、やつはさん1人じゃ危ない…!



マオを通す離して洞窟に入ると一瞬フラッとめまいがした。



洞窟の入り口に手をついて目を強く瞑った。

それに後から来たマオが気付いて僕の肩に手を置く。

「大丈夫?」

「大丈夫です…それより早くやつはさんを診て下さい……」

「はいよん」

僕のことはあまり気にせず、マオは横になってるやつはさんのところに歩いて行った。
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