籠の鳥
マオは首を傾げてニコッと笑う。



邪魔する前髪がなくなったせいか、表情が前より明るい。

「旅だよ、虎猫とね。だからさっちゃんとまーくんは預かれないよ」

「……確かにマオは聞いてたと思ってたけど、そうくるとはな。それなら旅のお共にしてくれないか?‥俺じゃ2人を守り抜く自信はない」

俯いたざくやにマオはまた笑った。

「大丈夫、安心しな。オジサンと虎猫はざっくん達のお共さ」

「は!?」

僕とさやも驚きを隠せなかった。

「………いいのか?」

「ああ、でも個人的にさ。オジサンはまーくんが一番気になる。まーくんだけはこの身を呈しても守り抜く」

ざくやは深々とマオにお礼を言った。


確か、ざくやに妖怪狩りを教えたのはマオだったっけ…?

つまりマオはざくやのお師匠??


「虎猫を造っておいてよかった。こいつはとても役に立つモノだよ」

そう言ってフウの頭を撫でる。

その言われ様にはフウは反抗しなかった。
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