籠の鳥
僕はずっと気になっていた質問をした。

「ねぇさや…マオって、強いんですか?今日の格好を見て少しはそう思ったのですが‥やっぱり想像がつきません」

「マオが戦ってる姿がか?まぁな。あいつはざくやみたいに武器なんて振り回さないしな」

「武器を使わないってことですか?」

「んなことは言ってねぇだろ」

さやは前を歩く2人を見て言った。

「マオは拳銃を2丁持ってる。どうせ、あいつの荷物の中は弾ばっかだろうよ。マオはざくやの恩師らしいがな、生憎マオの手元に予備の拳銃がなかったから、ざくやは重たそうな剣を背負って振り回してる。剣術もマオが教えたんだ」

「マオって剣も使えるの!?」

「ああ、接近戦も得意とする。だからさやが現役で妖怪だったときも1度だけ噂がたった。"やばい妖怪狩りがいる"とな」

そうなると、マオはざくやよりも凄腕で、妖怪にも恐れられるほどの腕前か…。


それならざくやがマオに僕達を預けようとしたのも納得がいく。



自分の中で整理をつけているとさやは本音を漏らした。
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