甘めな恋の魔法

メイクが終わって階段を降りてリビングへ行くと涼くんがママと航兄と喋っていた。

「準備できたか?」

笑顔で聞いてくれる涼くんに自然と私も笑顔になった。

「うん、じゃあママ行ってきます。」

ママに見送られて涼くんの車に乗り込む。

「どこ行くの?」

デートだと思っていた私わウキウキしながら聞くとさらっと「俺の実家」って答えられた。

「は?実家…?」

「うん、親父とお袋が結菜見たいって騒ぎはじめて姉貴がじゃあ連れて来いって言ったから。」

なっなんで…知ってたらもう少し可愛い格好してきたのに。化粧ナチュラルでよかった…。

「言ってくれればよかったのに…緊張するよ…」

そんなこんなで涼くんの実家に着いてしまった。

「か、帰りたい…。」

弱く小さな声で言うと大丈夫と言われた。

「じゃあ入るぞ?」

「うっ…うん。」

こうなれば可愛い子を演じても仕方ないし素で行こう。


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