腹から叫べ!

「私はとても幸せでした。これ以上の幸せがあるのかってくらい。

だけどそんな幸せは続きませんでした。

付き合い始めて1ヶ月半経ったとき、彼女は入院することになりました。

小学校の頃も何度か彼女は入院したことがあったので、今回もそれかと思っていました。

だけど彼女はお見舞いに行くたびに弱っていっていました。

そして無菌室に入って、面会も親族しか許されない状態になりました。

私は彼女と家族同士の付き合いも深かったので、特別に中に入れてもらいました。

彼女の病気は白血病でした。

小学生のころに骨髄移植をしたのですが、再発したのですね。

彼女は自分の病気を知っていました。

でも決して生きる希望を見失わなかった。」

カノは下を向いていて表情が伺えない。

< 138 / 290 >

この作品をシェア

pagetop