腹から叫べ!
ナインのくせに。いいこと言うじゃねーか。
「彼女が死んでから、私のことをみんな可哀相だとか気の毒だとか言ったのに、ナイン君だけは幸せ者だといいました。彼の中で生きてる彼女がいるってことが嬉しくて仕方ありませんでした。
ナイン君にシオリのことが見えるはずないのに、なぜか信じてしまったんです。いや、信じたかった。
ナイン君は命の恩人です。
その日帰り際にナイン君はその5円をくれました。」
「じゃあその5円は今もお守り…」
「いえ、次の日使いました。」
「へ。」
「だってね、その5円で彼女が見えるわけじゃないし、使った方が有効利用じゃないですか。それに、」
ユラは空を見上げた。