腹から叫べ!
第7話・へいらっしゃい
「あちー。」
まだまだ残暑が厳しい9月半ば。
「カノー。アイス買ってきてー。」
母さんが俺を呼ぶ。
「俺え!?」
「そうよ。今何時だと思ってんの。」
「何時って…午後8時。」
「そうでしょー。こんな夜遅くに乙女に外を出歩かせるのー?」
「乙女って…おばさんじゃん。」
「黙らっしゃい。」
「つーかお父さんに行かせばいいじゃん。」
「カノー。お父さんは仕事で疲れてるんだぞー。いたわれー。」
お父さんは普通にサラリーマンをしている。