腹から叫べ!

あれは本当にびっくりした。

そして極力関わりたくないと思った。

それなのに。

「島田カノってやついるかー?」

…は?

噂のナイン君が俺の名前を呼んでいる。

彼とはしゃべったことも目を合わせたこともない。

なんか…嫌な予感がする。

「島田君…呼ばれてるよ?」

隣の席の松前さんが心配そうに俺を見た。

「あ…うん…。」

でも行きたくない。

「カーノカノカノカーノ♪」

…なんか変な歌歌いながら近づいてきやがった。

「やあ、君が島田カノ君だね!」

「はあ…。」

はっはっは!と高らかに笑うナイン。

< 2 / 290 >

この作品をシェア

pagetop