腹から叫べ!

『はい、それではとうとう最後の叫びとなりましたー!我が腹から叫部部長、崎野ナイン君でーす!どうぞー!』

ナイン君は胸を張ってステージに出ていった。

そしてチヨ君からマイクを受け取る。

『えー、終わりの挨拶も兼ねよう思います。どうも、部長の崎野です。今日はたくさんの方にお集まりいただき、たいへん嬉しく思います。…個人的な話になりますが、俺は今、幸せです。とてもいい仲間に囲まれています。いつも俺を笑顔にしてくれるんです。俺が俺のままでいられる空間が、この腹から叫部です。』

…え…

『それからお父さん、いつも俺のために動いてくれてありがとうございます。今度は、自分の力で、自分の意志で行動したいんです。どうか、見守っててください。』

ナインは頭を下げた。


「ナイン君、しっかりしたいい子じゃないか。」

「…そうだな。」

カノ父とナイン父は隣に座って見ていた。

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