腹から叫べ!
『エントリーナンバー19、崎野ナイン君です、どうぞー!』
ナインは大きく息を吸い込んだ。
「俺の…プリンを食ったやつだれだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
えー。それをここで言うかー?
家で勝手にやってくれって感じだな。
でも声はでかかった。
その時、誰かが俺の服を引っ張った。
「ん?」
さっきのクソガキだった。
「なんだよ。」
「…俺の母ちゃん知らね?」
あ、もしかして…
「迷子か?」
「バッカ違げーよ!」
ケンタは毒づいているが涙目だった。
その姿が子供らしくておかしくなった。