腹から叫べ!

「ははは。」

「何笑ってんだよ!」

「悪りい悪りい。母ちゃんいないんだろ。その辺一緒に探してやるよ。」

カノはケンタの頭をガシガシなでた。

「ユラ君、ちょっとその辺プラプラしてくる。」

「え、もう少しで出番ですよ?」

「それまでには戻ってくっから。」

「わかりました。早く帰ってきてくださいね。」

「おう。ガキ行くぞ。」

「ケンタだよ!」

カノはケンタの手を引いてステージ袖から出て行った。

「どこではぐれたんだ?」

「…わかんない。」

「はあ。ちゃんと前見て歩かねえからだぞ。お前キョロキョロしながらいつも歩いてるだろ。」

「う…。」

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