腹から叫べ!

『私はあぁぁぁぁ!こんな格好してますけどおぉぉぉぉ!ちゃんと女の子が好きですうぅぅぅぅ!』

あ、ユラ君の声。

もうそろそろ戻らねえとやばいな。

「ごめんケンタ君、俺もう行かないと。」

「…うっ。ううっ。」

肩から降ろすと、ケンタは泣き始めた。

「…ったく、仕方ないな。」

「え?」

カノはケンタを抱き上げるとそのまま特設ステージに向かって走った。

「カノ早く!」

「悪りい!」

『エントリーナンバー23、島田カノ君、どうぞー!』

カノは呼吸を整えた。

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