腹から叫べ!

大きく息を吸い込んですべてを吐き出すように叫んだ。

「ケンタ君のお母さぁぁぁぁぁぁん!ケンタ君はここにいまあぁぁぁぁす!」

「お母さんどこぉ!」

ケンタも叫んだ。

すると、人混みの中を掻き分けてやってくる影がひとつ。

「ケンタ!どこ行ってたの!」

「お母さん!」

どうやら見つかったようだ。

「ほんとすみません!ありがとうございました!」

「いえいえ。」

疲れたけど無事見つかってよかった。


『それでは、大声選手権の結果発表をしたいと思いまーす。』

いよいよこの時がきた。

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