腹から叫べ!
ガシャン!
危機一髪のところでナインがフェンスを飛び越えて池上の腕をつかんだ。
池上は今、宙ぶらりん状態だ。
「ナイン!今から行くから池上の腕離すなよ!」
「…無理。重いー!」
あ、ナイン君には筋力がないんだった。
今にも手が離れそうだ。
「あとちょっと耐えろ!」
担任が池上君の手を掴もうとしたとき、
「え?」
「うわ!」
「ぎゃー!」
ナインは手を離してしまった。
「バカ!何してんだ!」
「…アイ、キャン、フラーイ!」
ナインはそう叫ぶと、池上を追いかけて屋上から飛び降りた。