先生との恋☆Second・Story☆完結☆
「暑い……」
マンションのエントランスを出れば、陰も無く照りつける日差しに目が細まる。
すぐ前の大通りを少し歩いてバス停へ着くと、バスがタイミング良く到着して乗り込んだ。
……手術をして、変わった事は沢山ある。まずは、高橋と付き合う、事になった事。
好きだと自覚してから、想いを伝えるなんてつもりはこれっぽっちも無かったし
退院したらさよならだと思ってた。
だから、これが一番今あたしを変えてる事かも。最近はその高橋の綺麗なマンションに居据わる日が多くなった。
バイトに行くのに近いし、なかなか会えないからってわざわざ行ってあげてんのに「また来たの」は無いと思う。
むかつく。
―――そして、新しくバイトを始めた事。
本屋のバイトも楽しかったんだけど、発作も起きなくなったしもう少しハードで時給の良いバイトがしたくなって。
『良いですか?発作はきっともう起きる事は無いと思いますけど、完全に普通の生活に戻る事はまだしばらくは無理です。
重たいものを運ぼうと無理に力を入れたり、甘いもの、それに走ったりも控えてね?……だからそういうバイトも……』って。
バイト一つ決めるのにも高橋の許可が必要で。
何個も何個も提案しては却下されてを繰り返して、ようやく許可がおりた。
バイト先は、あさみが服屋のバイトをしている所と同じ所。
あの、写真展があったショッピングセンター内を選んだ。
そうそう。
あさみは服屋のバイト、元々は短期で入っていたけれど店長に気に入られて頼まれたみたいで長期のバイトに切り替えたらしい。
楽しそうだし、何よりあさみに似合ってたから良かったと思う。