先生との恋☆Second・Story☆完結☆

だから、大丈夫。


高橋に言いながら自分にも言い聞かせるように声を落とした。


それが自嘲的に聞こえたのか、高橋の表情は変わらない。


しょうがない、事なんだし……。


「時間だし、行ってくるね」

ふと高橋から視線を離して時計を見れば、言われていた時間。


気付いて立ち上がれば、高橋は座ったままあたしを見上げる。


「嫌だったら――」


「大丈夫だって。高橋も仕事戻ってよ?」

心配しすぎ!

元はと言えばあたしが言い出した事だから、あまり高橋に強く言えないけど。

部屋を出ようと歩きだす背中に声をかけられ、ドアの外からそう返しあたしは診察室へと向かった。


……言えば高橋は心配してくれることは分かってた。


きっとこうして仕事に戻っただろう今も仕事をしながら頭の片隅ではあたしの事を気に掛けていてくれてるかもしれない。


検査から戻ればまた「大丈夫だった?」って心配そうに聞かれるんだろうな……。


つい言ってしまった事に、後悔。

人が行き交う中を歩いて診察室へと向かう。


さっきよりも少し静かな雰囲気が漂う各診察室の前の廊下を歩きながら指定された診察室へと歩いていると……

「心ちゃん」


診察室の前に立っていた看護師さんがあたしに気づいて声をかけてくれた。


待っててくれたのかな。



「どうぞ、中に入って」






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