先生との恋☆Second・Story☆完結☆
なんだか最初の印象が悪い為にこの須藤先生から発せられる言葉を全て悪い方向へと解釈してしまうあたしがいるんですけど。
「いえ、須藤先生が代わってくれて嬉しいです。わざわざ気を遣って下さってありがとうございます」
この傷を見せなきゃいけないと言うのは嫌だけれど、肌を晒すのは同性の先生相手の方が良いに決まってる。
あたしだって、一応恥じらいと言うものはあるんだし。
丁寧な言葉で半分余計な事を、半分有難いと言う意味を込めたお礼を述べると
須藤先生は「なら良かったわ」とクスっと目を細めて口元を緩めた。
「手術は去年の11月……にしたのね。あれからどう?」
「発作も全く起きませんし、病気に関しては何も不自由していません」
「心臓が苦しくなったり、脈が速くなったりとかは?」
「全く。最近は少し走っても平気です」
手術のおかげで確実に良くなったあたしの心臓。
心臓の違和感を感じる事は無くなったし、高橋に言ったら怒られるけど少し走っても息は苦しくなるけれど心臓自体が悲鳴を上げる事は無くなった。
「病気に関して……はね。まだ食事制限や運動制限はあるから、若い岡本さんには苦しいかしら」
様子を聞く問診は続く。
「そうですね……早く普通の生活がしたいです」
手術して半年以上が経つのに未だに出来ない事もあるし。
何より禁止だった行為が緩まっても高橋の目の届く所でしようとしていたら「するのか」という目で見られる。
「ふふっ……そうよね、いっぱいしたいものね……この検査で結果が異常なければ大分制限は解かれるはずだから。もう少しの辛抱ね」
じゃ、エコーしましょうか。と先生はあたしの後ろに控えていた看護師さんにエコーの準備をするように促した。