先生との恋☆Second・Story☆完結☆
「……」
何も言えず、ただ見つめたままのあたしを見て、嘲笑うかのように上がる目の前の口角。
傷を気にしてることが分かっててこの先生は自ら診ることを提案したのか。
「“できるだけ気にかけてあげて欲しい”って高橋先生の言葉だもの。高橋先生はあなたの傷の事、ずっと気にしてるわよ。だからただでさえ少ない昼休みもあなたの様子を見に行ったり……高橋先生が来るって分かってるなら、出歩かないで部屋にいてあげてね」
……何それ。
「高橋先生の受け持っている子は岡本さんだけじゃないから、ね」
そんなこと分かってる。
私以外にも沢山の患者さんを担当してて。
不規則な生活を日々送っていて。
時には緊急だったり、前から予定されていた手術を何時間もの間立ちっぱなしで集中力を切らさず行っている。
そんな高橋に負担をかけるように、あたしは今までさんざん困らせていた。
それを須藤先生に言われなきゃいけないのは納得いかないけど…。
だけど、須藤先生が言っていることは間違いなく正論で。
言い返すことなんてできない。
「……はい」