先生との恋☆Second・Story☆完結☆
そう言われて、あぁ、と息を吐く。
真っ青なんだ。
自分の顔、見えないから分かんないけれど。
ひどい顔をしてるんじゃないかと思う。
「…何でもない。行って」
まだ、ドクドクと心臓がうるさい。すうっと血液が冷たく下へ下がっていく感覚がして気持ち悪い。
「ほら、先生そう言われてるし、しつこいと嫌われるよ」
動かないあたし達にしびれを切らしたのか
神田さんが高橋の腕を引っ張って今度こそ動き出す。
「…あとで行きます」
引っ張られながらあたしへそう言った高橋にひら、と手を振ってあたしはベンチへ座った。
……入院していた時はたまに目の前で発作を起こす人は見てたから慣れてるはずなのにな。
最近は自分も治ったし
外の世界は周りが健康な人ばかりで発作起こしちゃう人なんか見なかったからかな。
仮病とはいえ久しぶりに苦しむ人を見たから、驚いてしまったらしい。
動機を抑えようと目をつぶる。
深呼吸を繰り返して…
大丈夫…大丈夫…。
――5分くらい、経っただろうか。
目をつぶっているからしっかりと分かる自分の心臓は落ち着きを取り戻していた。
落ち着いたかな。
立ち上がって部屋へと向かう。
今日は、さんざんな日だ。
早く退院したい…。
ちょっと寝よう。
ベッドに乗ろうと靴を脱いでベットに手をついた―――、
「!………ぇ、っ、?」
ドクン!
激しく跳ねた心臓。
と思えば、すぐに襲ってくる久しぶりの感覚。