先生との恋☆Second・Story☆完結☆

渦巻く不安



高橋がいる。

あたしの前を歩いていて、見慣れた後ろ姿。

ちょっと、歩くの早くない?


どんどんと離されていく高橋とあたしの距離。振り向かない高橋。

「待ってよ、」


距離を詰めようと、一歩大きく踏み出した瞬間――――







――――ドクン―――








足先から、頭の先まで響く振動。

「っつ!」


本能が感じる。


危ない、と。


反射的に跳ねた体。

頭で理解した瞬間に、次が来る。

ギューっと締め付けられるような胸の痛み。

うっと詰まる呼吸。


逃げるように、すがるようにあたしはしゃがみ込む。


”何と”戦っているのかもわからない。苦しみから逃れる術も分からない。


だけど、少しでもこの痛みから、苦しみを和らげたくて必死で胸を握りしめるけれど、その両手も震えてて、感触が無くて。


痛い、苦しいが頭の中を支配する。


今…

あたし、

息してるの?






< 148 / 382 >

この作品をシェア

pagetop