先生との恋☆Second・Story☆完結☆
渦巻く不安
高橋がいる。
あたしの前を歩いていて、見慣れた後ろ姿。
ちょっと、歩くの早くない?
どんどんと離されていく高橋とあたしの距離。振り向かない高橋。
「待ってよ、」
距離を詰めようと、一歩大きく踏み出した瞬間――――
――――ドクン―――
足先から、頭の先まで響く振動。
「っつ!」
本能が感じる。
危ない、と。
反射的に跳ねた体。
頭で理解した瞬間に、次が来る。
ギューっと締め付けられるような胸の痛み。
うっと詰まる呼吸。
逃げるように、すがるようにあたしはしゃがみ込む。
”何と”戦っているのかもわからない。苦しみから逃れる術も分からない。
だけど、少しでもこの痛みから、苦しみを和らげたくて必死で胸を握りしめるけれど、その両手も震えてて、感触が無くて。
痛い、苦しいが頭の中を支配する。
今…
あたし、
息してるの?