先生との恋☆Second・Story☆完結☆
「最近夜中に寝れてないって聞いたけれど、大丈夫?」
ぼんやりとベンチに座っていれば、当たり前のように隣に座った高橋が一言目にそう言ってきた。
看護師さんが言ったのか…。
仕事上、些細なことでさえ情報を共有しておくことは大事なことなんだと高橋や清水先生に何度も言われてきたけれど、やっぱりうんざりする。
言わなくていいのに…。
「寝れてないわけじゃないよ。看護師さんが来た物音で目が覚めてるだけ」
「嘘。そんなに繊細じゃないでしょ」
「はぁ?」
睨みながら高橋を見れば、向こうは真剣な表情でこちらを見ていて。
「…何かあるなら言ってよ」
「別に」
「……またそうやって隠す」
はぁとため息をついた高橋。なんであたしがため息をつかれなきゃいけないの。
自分でも今自分の体がどうなっているのか分からないのに。何を言えと言うの。
もう仕事に戻ればいいのに。
そう思っていれば、高橋のピッチが鳴る。
「はい、」
呼び出しかな。
急患?
向こうの声は蝉の音にかき消されて聞こえて来なくて。