先生との恋☆Second・Story☆完結☆
「自分の担当の子が苦しんでる姿を見ると…僕も苦しい」
ぐっと、掌を握りしめる。
「手術したって……」
手術したって…苦しいあたしのこの病気は何?
手術をしても治ってないじゃん。
「え?」
聞き返された高橋の言葉に、高橋を見上げて言ってやる。
「じゃああたしのとこに来る暇があればずっとその子の所についててあげたら?」
あたしのとこに来るくらいならあの子のところでついててあげればいいよ。
「あの子が覚悟して手術できるように見張っておいてあげて。あたしの二の舞になんないように」
行け。と背中を押せば、一二歩動いた足は止まる。
「心…」
真っ直ぐ睨むあたしと、
困ったようにあたしを見てくる高橋。
「そんなつもりで行ったんじゃ…「早く行けば?今頃走ってるかもよ」」
高橋が困ってるのは分かってる。行きたいけど、行けないのだろう。
少し視線を彷徨わせて、もう一度あたしを見た高橋はゆっくりと口を開く。
「帰ったら話そう。今は……、行ってきます」
「どーぞどーぞ」