先生との恋☆Second・Story☆完結☆
聖君に捕まれたままだった手で、聖君の服を掴む。
「…心ちゃん?」
振り返った気配がしたと同時に、無理だ、と思ってしゃがみ込む。
「心ちゃん!?」
焦ったような聖君の声。
肩を掴まれて顔を覗きこまれるけれど、あたしの意識は体のことでいっぱいで。
「ちょっと…待って……」
ぼんやりとする視界で聖君を見つめて言う。服を掴んだ手に力を入れれば、背中をさすられる。
すぐに心臓は通常の動きに戻るけれど、体力は奪われる。
「っ…大丈夫」
落ち着いたところで立ち上がろうとすれば、聖君が支えてくれる。
立って見た窓の外には、もう高橋たちの姿は無かった。
良かった。聖君がほかの人に助けを求めなくて。
「…どういうこと?」
静かに落とされた聖君は驚いた顔をしていて。
「貧血かと思ったけど胸抑えてたし…明らかにおかしいよね?よくあるの?」
さっきまでとは全く違う。
”笑い”さえなくて、あたしも真面目に頷く。
「最近…また」