先生との恋☆Second・Story☆完結☆
人生の先輩
「おはようございます」
「……おはよ、うございます」
朝。高橋が来ると思っていたのに、来たのは会いたくないって思ってた人が来た。
……今日会ったら、昨日声荒げたこと、もう一度謝ろうって思ってたのに。
来ないでって思ってた時は来るくせに来てほしいって思った時は何で来ないのよ。
須藤先生が来たことであからさまに顔が変わってしまったのが自分でも分かる。
なるべく平静を装おうと思ったけど、やっぱり須藤先生は気付いたみたい。
あの、エコー検査の時同様にくすりと笑われて「高橋先生が良かった?」と聞かれた。
「別に様子見なんて誰でも良いです」
本来ならね。
「高橋くん、今発作起こした子に付いてて。あたしがフォローに来たの」
――聞いてないのに。
「そうですか」と答えながら、心の中で呟いた。
高橋、来てすぐ発作の子の処置したの?
それとも、もしかして昨日帰らず病院に……?
「検温は?」
「はい」
計っていた体温計を渡すと無言で表示を見た後、電源を切って書き込む。
「もう少しで退院ね」