先生との恋☆Second・Story☆完結☆


ペンを走らせるのを見ていれば、言われる。


「……嬉しそうですね」

「そりゃそうよ。患者の退院を喜ばない医者はいないわ」

「……ただそれだけの理由じゃないと思いますけど」

純粋にそう思っているようには聞こえない。


退院すれば高橋との接点が無くなるとでも思ってるんでしょ?


……別に退院したからって病院での高橋が見れなくなるだけで接点が無くなってしまったり、会えなくなってしまうなんてことは無いのに。


須藤先生は知らないからしょうがないけれど。


言ってやりたいけど、言えない。その代わりにやっぱり、刺のある言い方をしてしまう。


無表情で。


クスリと笑い顔を上げた須藤先生。

「あら、そんな風に見える?」


見えます。顔から雰囲気から言動から全てで。


「高橋大好きって感じですから」


「高橋“先生”でしょう?」


いちいち訂正を挟むのやめてほしい。


「自分だって先生って呼んでなかったくせに」


秋くんって言ってたこと、ちゃんと覚えてる。

自分だって人のこと言えないと思うけど?



ボソッと視線を合わせないように言えば、またクスッとイラつく笑いが聞こえた。

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